Friday, April 6, 2012

通訳という使命 3

通訳のお仕事。


これが結構大変だって’やっと’気づいたのは、3年目くらいから。


2008年の1回目は、興奮のあまり、緊張する暇もなく、それよりも、
子育てから離れて4日間、外出するということが、とてもワクワクだったんです。
師範コースを取った時から通訳をさせて頂きました。




しかし、セミナーが終わってからは、40.2度の高熱を出して、救急病院に
運ばれました。。。頭の使い過ぎの知恵熱ってやつでしょうか。




2009年の2回目は、1回目の興奮覚めやらず、セミナーの企画兼通訳係だけでなく、
引き続き夜にトークショーなんかもやったりして、それでも、全然オッケーでした。

セミナー後に直傳靈氣の講演会も







しかし、セミナーが終わると、もうぐったりで、2、3日は使い物にならない
お母さん。 夕食は、ピザか納豆ご飯。 洗濯もする氣になれず。




2010年のセミナーの時


2010年には、シアトルにも行かせて頂き、通訳させて頂きました。この時は、
セミナーの企画は他の方担当でしたので、私はお気楽に通訳するだけで、
結構へっちゃらな感じでした。
しかし、やっぱりセミナーが終わると、もうぐったり。


通訳くらいで、疲れるなんて、私も年を取って来たのか。
くらいにしか思ってませんでした。




 そうそう、私がさせて頂いている直傳靈氣の通訳は、同時通訳ではなく、逐次通訳というもので、相手が一文話した後に、その文を翻訳して話すというやり方で、時間はかかるけど、内容は正確に伝わるやり方なんです。 というか、私にはとてもじゃないけど、
同時通訳はできませんっ!




 直傳靈氣のセミナーには、英語のみ話す人、日本語のみ話す人、英語、日本語両方
わかる人が、全部混ざって参加されます。
なので、山口先生が日本語で話すと、それを私が英語に訳す。
英語の質問があると、私が日本語に訳して、先生に伝える。
先生が日本語で答えて、私が英語に訳して、受講者に伝える。
日本語の質問があった場合は、英語に訳して、他の受講生が会話に入るようにする。
先生が日本語で答えるので、それを英語に訳す。


私の頭の中では、4倍もの会話が行ったり来たりしていて、
もう、水を飲む暇も、息をする暇もないくらい、通訳の私は一つ一つの文章に
耳を傾け、どうやって訳すと一番わかりやすいかを、考えながら聞いています。


そして、日本語というのは、奥が深いもので、例えば、
「いただきます」という一言を訳そうとすると、
”Thank you for the nature, Thank you for the farmer, thank you for the cook, thank you
for the life in the food that gives us the life." 


長いんです。

日本語だったら、一言で済む言葉が、英語に訳すと、文化の違いから説明しなくては
いけなく、一言で済まない言葉がたくさんあって、私の脳みそはフル回転になります。



通訳のコースとか取ったことないので、他の方がどうしているのかは
知らないのだけど、きっと、みんなこんなもんなんだろうなー。


そんな通訳も、楽しくて充実感溢れるお仕事なので、喜んでさせて頂いていますが、
2011年は、ちょっと無理をし過ぎて、いつもだったら、4日で済むセミナーが
師範コースもやり始めたので、合計6日間になり、しかも2011年は受講希望者が
多かったので、2セットのセミナーをやったんですね。
一日8〜10時間の通訳を、6日間ぶっ続けてやったあと、一日開けて、
さらに3日間。


この時まではなんとか大丈夫だったけど、
この後から、徐々に体力が落ちました。


倒れそうになりました。
これはさすがに、脳みそに無理が来たようで、このセミナーが終わった後は、
2ヶ月くらい、脳が巧く機能せずに、思考能力ゼロ。簡単な決断が出来ないし、
会話に集中出来ないし、会話が理解できないし、他の人の脳みそに取り替えられた
ような感じでした。



そして、2011年秋は、ハリファックスへ。
これも、通訳のみでお気楽な立場。楽しく充実して、元気にセミナーを終えたはずが、
6日間のセミナーを終えて、帰路に立った私は、飛行場で猛烈な頭痛に襲われ、飛行機の中で嘔吐。
ぐったりでした。


 いつも、セミナー後にこんなになってしまう私は、かなり自己嫌悪に落ち入って、
「通訳くらいで、貧血おこしたり、理解能力を失ったりするなんて、私も
落ちぶれたものだ。もっと、強くならねば!」と自分を責めました。


でも、同時に、
「ちょっと待てよ? 他の通訳の人は、どんな感じで通訳の仕事を
やってるんだろう? 他の通訳の人も、疲れたりするのだろうか?」

という自問がわき、調べてみました。



そしたら、Wikipedia の通訳の部分を見ると、
  ”同時通訳作業は非常に重い負荷を通訳者に要求するため、2人ないしは3人が同時に
  ブースに入り15分程度の間隔で交代する。”

ええええ〜〜〜っ? 2人ないしは3人が同時に
ブースに入り、15分程度の間隔で交代?」

はいはい、どうりで私が疲れるわけだ。受講生から先生へ個人的な質問があると、私が間に入って、会話。休憩時間もランチタイムも、あって、ないようなもの。
時には夕食会もあるので、一日8〜10時間、ぶっ通しで会話。



いや、私の場合は同時通訳ではないし、国際会議でもないけど、それでも、通訳者の
負担軽減のため、普通は少なくとも2〜3時間に一回交代で通訳の仕事は行われる、
ということ。

という事実を知って、ちょっと氣が楽に。


なので、2012年のセミナーでは、今まで氣が引けて出来なかったことを
試みました。

「手助けを求める。」

人からの手助けというものが、こんなにも有り難いものだったのかということを
改めて実感しました!

この時に手伝ってくれた、方達に心から感謝です!

”本当にありがとうございました!!!”


それから、「先生の了解を得て、座って通訳させて頂く。」




先生が立って講義をしているのに、
私は横で座って通訳。 なんとなく無礼なような氣がしてならないのだけど、
私が強くないと、セミナーが成り立たないので、自分のペースを守らねば!



そして、「休憩時間は、休憩する!」


これで、かなり問題解決になりました!



2012年バンクーバーセミナーでは、倒れることもなく、セミナー後に
思考能力を失うこともなく、無事に普通の生活に戻ることが出来たのが、
ほんとに嬉しかった〜!




ということで、年に一、二回の私の通訳係という使命は、まだまだ続きます!




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